ひきこもり脱出(その14)

2024年1月13日土曜日

アラフィフ ゲイ ひきこもり ひきこもり脱出 体験談

約30年前の最初のひきこもり。

そこからの脱出シリーズももう14回目(汗)


前回は初めての同僚を紹介したが。

今回は業務について。


と、その前に。

以前もチラっと触れたけど。


少しでも職場の雰囲気を伝えるために。

扱うゲーム機の種類を簡単に書いておこうと思う。


まず、一般的なゲーム機。

ストⅡとかバーチャファイターとか。


それからカーレース筐体。

うちの店にあったのはリッジレーサーだったかな。


そしてメダルゲーム、クレーンゲーム。

ここまでは、まあ普通だけど。


ポップコーンを作る機械。

ちょっとした乗り物。


こういうのは普通のゲームセンターにはないはず。

最近行っていないけど、少なくとも当時はなかった。


親子連れ、家族連れがターゲットなので。

ショッピングセンター内のテナントならでは。


極め付きは蒸気機関車を模したミニ電車。


子供一人か、保護者と小さい子供二人で乗る形式で。

楕円状の線路を走ってスタート地点に戻ってくる。


一周の所要時間は30秒くらい。


途中の線路脇に機械仕掛けの恐竜が設置されていて。

目が光ったり手が動いたりするのだけど。


スタッフが手元のボタンを押すと。

結構な音量で恐竜の鳴き声が響き渡る。


店の目玉とも言える乗り物だったけど。

たまに怖くて泣きだす子供もいた。。


初めての業務


1994~95年 平成6~7年 21~22歳


さて、では改めて業務の話。


最初に教えてもらった一つが納品作業。

日勤で出勤したら、搬入口に納品を取りに行く。


クレーンゲームなど景品を扱う商売なので。

基本的に外部からの納品があるわけだけど。


ここはショッピングセンター。


毎朝多くのトラックが次々にやってきて。

広い搬入エリアで各店舗への納品が行われる。


ただ、私の職場の納品量は少ないので。

急ぐこともなく搬入口に行くと。


他の店舗の作業はほぼ終わっていて。

うちの袋だけが隅っこにポツンと置かれている。


それを事務所に持って帰って。

納品書と実際の品数が合っているか検品する。


大した量でもないので、簡単だしすぐ終わる。

数が合わないこともない。



そして、もう一つ教えられた業務。

それは掃除。


掃除は仕事の基本。


とにかく客が使ったゲーム筐体を布巾で拭く。


コロナ禍みたいなこともないので。

消毒薬もなく、ただただ水拭きする。


雨の日は床が濡れたらモップを掛ける。

客が飲み物をこぼしてもモップを掛ける。


だけど、別に本職の掃除屋でもないし。

細かく指示されることもない。


業務としては楽なのだが。

これもすぐに終わってしまう。



働く前から予想していた通り。

ゲームセンターというものは。


何かトラブルが起きない限り、あまり業務がない。

しかもショッピングセンターのテナント。


そもそも家族連れが多く来る場所なので。

平日の日中は客が少ない。


その分、土日はものすごい人出だったりしたけど。。



あと、「鍵」を持っていると、業務が少し増える。

社員や先輩アルバイトは「鍵」を持っている。


例えば。

客が投入した小銭がゲーム機に認識されない場合。


「鍵」で投入口を開け、中にあるボタンを押す。

そうすれば、1ゲーム分チャージされた状態になる。


他にも。

クレーンゲームで商品が出口に引っかかった場合。


「鍵」でスライド扉を開け、取り出す。


入職したての私は鍵を持っていないので。

「少々お待ちください」と言って。


他のスタッフを呼びに行く。


この「鍵」を持たされると一人前。

一人前と言っても、時給560円のアルバイトだが。



余談。


「少々お待ちください」で思い出したけど。

この職場は声出し練習みたいなものはなかった。


接客業の場合、接客6大用語とか7大用語とか。

そういうのを朝みんなで発声したりする。


「いらっしゃいませ!」とか。

「お待たせいたしました!」とか。


これが本当にくだらないし、めんどくさい。


二つ目のバイト先で途中から導入されたので。

いずれ記事にするかもしれない。



話を業務に戻すと。

とにかく、すぐにやることがなくなる。


まあ、だからこそハードルが低く感じ。

この仕事に応募したのだけど。。。


時給が安いのも頷ける。。


やることがなくなった私はどうするか。


とりあえず、店の壁際の目立たないところに立ち。

俯いているだけ。


一応、客が来たりすれば。

「いらっしゃいませ」くらいは言っていたけど。


今から考えると。

いや、そのとき考えてもそうだったけど。


入職してしばらくは。


おそらく私はただただ活気がなく。

変なヤツだと思われていただろう。


それでもみんな優しくて。

強く叱責されることもなくて。


それはもしかしたら。


ようやく入職してきたアルバイトに。

辞められたくなかっただけかもしれないけど。


本当にありがたかったことだと。


決死の覚悟でひきこもりを脱出した初っ端が。

万が一ものすごく厳しい職場だったりしたら。


またひきこもりに逆戻りどころか。

もう二度と社会に出られなかったかもしれない。


しかし、そのありがたみというものは。

その当時は分からず。


遅まきすぎながら、このごろ身に沁みて。


ある種のほろ苦さを伴って。

ある種の痛みを伴って。


思い出されるのである。



とにかく、言い訳をするわけじゃないけど。


一度も働いたことのない私からすれば。

社会の端っこにぶら下がることがやっとで。


毎日遅刻しないように出勤して。

教えられた業務を遂行して帰宅する。


まずはそれだけだった。